医療の発達によって高齢者が長生き出来る時代になった現在、高齢者が急増しています。それに伴い介護サービスの需要が非常に多くなり、供給は追いつかない程です。
そんな中、介護サービスを利用する家族の中にはサービス内容にかかわらず、とりあえずで依頼する人が多くいます。こうした「とりあえず」の人で、介護関係者の多くが手間取っている実態があるのをご存知でしょうか。
介護は職種によって出来る事と出来ない事が決まっています。例えば介護施設において無資格者は爪切りや掃除、自動測定器の血圧計等は出来ても、利用者の補助は介護士しか出来ないです。しかしそうした違いが分からない利用者や家族は近くにいるスタッフにお願いするため、頼まれたスタッフはその都度事情を説明して利用者と家族に納得してもらう手間が生じます。
上記はちょっとした事例ですが、中でも特に問題となっているのが訪問介護です。訪問系の業務は、訪問介護と訪問看護の2つがあるのを知っている方が多いかと思われますが、介護士と看護士では出来る仕事内容が違います。
点滴や薬の処方等医療行為は看護士で無いと行えないため、訪問介護では事前に利用者が希望するサービス内容を聴取することになります。それにもかかわらず、訪問したスタッフに、ついでにこれもやってと頼み、断ったスタッフとトラブルになるケースが相次いでいるのです。この事から介護業界では職種によって出来る事と出来ない事がある旨を、サービス開始前の利用者に説明していますが、それでもトラブルが絶えないのが現状です。
これからの介護業界の人材不足を少しでも緩和させるためには、介護サービスを受ける側の認識向上も重要なポイントだといえるでしょう。